消費税とその歴史

消費税の歴史と自分の意見について整理してみた。

消費税とは

消費税は、物品やサービスの消費に課される租税である。
納税義務者は課税資産の譲渡や課税仕入等を行う事業者(個人事業主および法人)だが、税額は価格に転嫁され、最終的には消費者が負担する。

税収

歳入に占める割合は大きく重要性は高い。平成27年度予算では、酒税等の個別消費税と合わせて税収全体の34.7%を占めている。
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引用元: 国税・地方税の税目・内訳 財務省

税収の推移

消費税の税収は税率が5%となった平成9年(1997年)から平成25年(2013年)までほぼ横ばい(年間10兆円程度)で推移しているが、2014年(平成26年)は税率が8%に上昇したことに伴い、税収は16兆円と増加している。
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引用元: 主要税目の税収(一般会計分)の推移 財務省

消費税の歴史

昭和50年代
消費税導入の検討が始まるが、自民党の選挙での敗北もあり法案化されなかった。

1988年(昭和63年)
消費税法が成立した。

1989年(平成元年)
消費税法が施行され、税率が3%となった。

1994年(平成6年)
所得税法及び消費税法の一部を改正する法律が成立した。これによって、消費税率が5%に引き上げられることが決まったほか、納税義務の免除が一部見直しされ、納税義務の範囲が拡大した。

1997年(平成9年)
上記の法律に基づき、税率の5%への引き上げ(うち1%が地方消費税)、地方消費税の創設、納税義務の免除の一部見直し(消費税法9条本文における基準期間の売上が1000万円を下回った法人の特例について、事業年度開始時点における資本または出資の金額が1,000万円以上である法人については適用しないこととした)が実施された。

2003年(平成15年)
消費税法が改正され、総額表示の義務付け、簡易課税制度の適用上限の引き下げ(2億→5,000万)、免税点の引き下げ(3,000万→1,000万)が実施された。*1

2012年(平成24年)
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(税制抜本改革法)に基づき消費税法が改正され、税率が8%(うち1.7%が地方消費税)となることが決定した。

2014年(平成26年)
上記の改正に基づき、税率が8%となった。

2015年(平成27年)
消費税法の改正により、国外事業者が国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告の配信などの電子商取引に消費税を課税することとなった。*2

なお、税制抜本改革法では当初2015年(平成27年)10月1日より消費税率は10%(うち2.2%が地方消費税)となることが決まっていたが、所得税法等の一部を改正する法律の成立に伴い2017年(平成29年)4月1日からに延期された。

消費税に対する私見

獲得された所得がいずれ全て消費されると仮定すれば、消費税は非常に公平で平等な税金である。所得税を公平に徴収するには所得の把握という徴税上の問題が発生するが、消費税は経済力に応じて全ての消費者に平等に課税されるからだ。

もっとも、租税には大きく分けて「公共サービスの財源」と「所得の再分配」という2つの大きな目的があり、これをどう捉えるかによって「平等」という言葉の表す意味は変わってくる。「公共サービスの財源」という目的からすると、全国民が公共サービスを使っているのだから経済力に応じて比例的に課税される消費税は平等である(所得税のように累進的な税率によって高額所得者のみが非常に多額の税金を納めるのは平等ではない)と言えるし、「所得の再分配」という目的を達成するためには、所得の低い人ほど所得に対する税負担の割合が大きくなる消費税は平等ではないとも言える。

いわゆる「税と社会保障の一体改革」は増税した消費税を最大の支出である社会保障費用に充てるものだが、社会保障のように社会全体で負担すべき費用については、特定の世代や職業に負担が集中しない消費税が財源として優れていると言えるだろう。

実際どのような租税を選択していくかに正解はなく、これは政治を通じて調整されるべき問題である。

*1:国税庁のウェブサイトに、改正に伴う影響事業者数の試算が記載されている。これによると、課税事業者数は改正によって60%程度増加する見込みだった。

*2:サービスの受け手に納税義務を課す「リバースチャージ」という方式で課税される。詳細は国税庁のパンフレットを参照